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2025/3/31
#用語解説

委託先管理・サードパーティ管理と導入時のポイントは?

委託先管理・サードパーティ管理およびサードパーティリスクマネジメント(TPRM)とは、企業がビジネスを行ううえで外部の取引先(=サードパーティ)と連携する際のリスクを管理・最適化するプロセスや体制を指します。

情報セキュリティやコンプライアンスにおけるリスクが高まる近年、サードパーティが原因で生じる事故・不祥事が企業の評判や信頼を大きく損ねるケースが増えていることから、企業ガバナンスの観点でも非常に重要な取り組みです。

本記事では、委託先管理・サードパーティ管理およびTPRMの概要や重要性を解説。さらに導入の手順やポイントなどを整理し、貴社での導入・強化を検討するために役立つ基本的な知識をご紹介します。

  • 委託先管理・サードパーティ管理・サードパーティリスクマネジメント(TPRM)とは
  • サードパーティリスクが高まる背景
  • 具体的な管理・マネジメント手法
  • サードパーティリスクマネジメント導入のメリット
  • サードパーティ管理やサードパーティリスクマネジメント導入・運用におけるポイント
  • まとめとお問い合わせのご案内

委託先管理・サードパーティ管理・サードパーティリスクマネジメント(TPRM)とは

委託先管理・サードパーティ管理

企業が取引先や協力会社、アウトソーシング先などの外部パートナー(サードパーティ)を選定し、契約やモニタリングを含む一連の管理業務を行うことをサードパーティ管理と呼びます。企業活動のグローバル化・複雑化にともない、サードパーティの利用範囲や重要度は年々高まっています。

サードパーティリスクマネジメント(TPRM)

サードパーティ管理の中でも特にリスクマネジメントに焦点を当てたものを「サードパーティリスクマネジメント(以下、TPRM)」と呼びます。外部委託先や取引先による不正・情報漏えい・コンプライアンス違反などが起こると、自社の信用失墜や法的責任を問われる場合もあります。これらのリスクを未然に防ぎ、ビジネスの継続性やブランド価値を守るための取り組みがTPRMです。

TPRMでは、

  • リスクの特定・評価
  • 対策の実施(契約条件設定、教育・モニタリングなど)
  • インシデント対応計画の策定
  • 継続的なレビュー・改善

といったプロセスを体系化し、企業全体で運用することで、サードパーティが起因となるリスクを抑えつつ、効率的に外部パートナーとビジネスを行うことが可能になります。

サードパーティリスクが高まる背景

サードパーティによるリスクが高まる背景には以下のようなものがあります。

  1. 取引先・委託先の増加とサプライチェーンの複雑化
    企業が業務を外部委託する機会が増えるほど、潜在的なリスク発生源も増え、管理の難易度が高まる。特にクラウドサービスの普及により、データ管理を外部に委託するケースが増加したことで、情報セキュリティリスクへの対応がより重要になっている。

  2. 規制強化とコンプライアンス意識の高まり
    国内外における個人情報保護やコンプライアンス要件の強化に伴い、委託先や取引先が法令違反を起こした場合の影響も大きくなっている。日本国内では個人情報保護法の改正により、委託先の監督責任が強化された。

  3. 社会的評価とブランドリスク
    SNSやメディアの発達により、不祥事が起きれば企業名が瞬時に拡散される時代。サプライチェーン管理の不備によってブランドイメージが損なわれるリスクも高まっている。

具体的な管理・マネジメント手法

委託先管理・サードパーティ管理やサードパーティリスクマネジメントの一般的なステップは以下の通りです。

1. リスクアセスメント・選定(Onboarding)

  • サードパーティ候補の信用度や情報セキュリティ体制、法令遵守状況などを評価
  • 必要に応じてセキュリティ監査やコンプライアンス監査を実施
  • 取り扱う情報の機密性や業務の重要度に応じて、リスクレベルを分類

2. 契約・合意事項の明確化

  • 守秘義務・賠償責任などの契約条件や、コンプライアンス要件を契約書に明記
  • セキュリティインシデント発生時の対応や報告義務についても明確化
  • SLA(サービスレベル合意)の設定と定期的な見直し

3. モニタリング・定期的な評価

  • 業務遂行状況や法令遵守状況を継続的にモニタリング
  • 定期監査やパフォーマンス評価を行い、必要に応じて契約更新や見直し
  • 自動化ツールを活用した常時監視体制の構築

4. インシデント対応と継続的改善

  • 事故や不祥事が発生した際の対応プロセスや責任範囲を定義
  • 対応後の振り返りでリスク管理体制を随時アップデート
  • リスク情報の社内共有と水平展開

サードパーティリスクマネジメント(TPRM)導入のメリット

TPRMを導入するメリットには以下のようなものがあります。

  1. リスク低減と被害拡大の防止
    事前のアセスメントや監査により、大規模な不正や情報漏えいを未然に防ぎやすくなります。インシデント発生時も迅速な対応が可能となり、被害の拡大を最小限に抑えることができる。

  2. コンプライアンスの徹底・法的リスク回避
    委託先や取引先に対するモニタリングを継続的に行うことで、訴訟リスクや行政処分などを回避しやすくなります。特に個人情報保護法や業界特有の規制対応において重要な役割を果たす。

  3. ブランド価値・信用力の維持
    リスクマネジメントを徹底している企業は取引先や投資家からの評価が高まり、企業価値向上にも寄与します。ESG投資の観点からも、サプライチェーン全体の透明性確保は重要視されている。

  4. 業務効率の向上
    標準化された管理手法を導入し、ツールやシステムで一元管理することで、担当者の負荷を軽減し業務を効率化できる。属人的な管理からの脱却により、継続的な取り組みが可能になる。

委託先管理・サードパーティ管理やTPRMの導入・運用におけるポイント

委託先管理・サードパーティ管理やTPRMを導入・運用していくためにチェックしておきたいポイントには以下のようなものがあります。

  1. リスク評価基準の明確化
    企業の事業戦略やリスク許容度に合わせて、情報セキュリティ・財務状況・コンプライアンス要件などの評価指標を設定しましょう。業種や取引内容によって重要視すべき項目は異なるため、自社に最適な基準作りが重要です。

  2. 契約管理の徹底
    契約更新のタイミングや秘密保持義務の順守状況を定期的にチェックし、トラブルを未然に防ぎます。特に長期間取引のある先については、最新の法規制や社内ポリシーに合わせた契約の見直しも必要です。

  3. 継続的なモニタリングと監査
    一度だけの監査ではなく、定期的に評価や監査を行い、必要に応じてリスク対策をアップデートする仕組みが必要です。リスクの高い取引先には、より頻度の高いチェックを実施するなど、メリハリのある管理体制を構築しましょう。

  4. 組織内の意識改革・教育
    経営層から現場担当者まで、リスクを正しく認識・共有するための社内教育や啓発活動が欠かせません。調達担当者だけでなく、実際にサードパーティと協働する部門のスタッフへの教育も重要です。

  5. デジタルツールの活用
    専門の管理ツールやクラウド型システムを活用して、リスク評価や契約管理を一元化すると効率よく運用できます。AIやRPAを活用した自動評価・モニタリングシステムの導入も検討価値があります。

委託先管理・サードパーティ管理およびTPRMは、企業が継続的かつ安定的に事業を発展させるうえで欠かせない取り組みです。取引先や委託先との契約管理やモニタリングを徹底することによって、法的リスクや情報漏えい、不正などのインシデントを未然に防ぐと同時に、企業の信用とブランド価値を守ることが可能になります。

しかし、企業規模が拡大するほど管理対象のサードパーティは膨大になり、手作業での監査や評価には限界が生じます。最新のツールやサービスを活用して全体を可視化し、効率的かつ効果的にリスク管理を行うことが重要です。

Lens RMではサードパーティ管理に特化したソリューションを提供しており、プロセスのデジタル化やサードパーティリスクマネジメントの高度化を実現することが可能です。企業の規模や業種を問わず、最適な管理体制づくりを支援し、ビジネス全体のリスク低減と効率化に寄与いたします。ぜひお気軽にご連絡ください。

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